関西ノムラ資産管理フェア2007
2/17(土)、京セラドーム大阪で開催された「関西ノムラ資産管理フェア2007」に参加してきた。これは個人投資家のための日本最大級のマネーイベントで、無料で参加できる。
昨年、東京でも開催されたものと同じだとは思うが、今回は大阪での開催ということらしい。
でっ、私の目的としては、私が師と仰ぐ大前研一さんの講演会だ。講演会は抽選のため新聞広告に掲載されたと同時に申し込んだので、運よく当たることができた。
講演会のタイトルは、『世界経済は新しい舞台へ』ということで、日本の現状と世界で起こっていることなどを面白おかしく、しかもほとんど原稿も見ずに90分間話しっぱなしで、内容、構成などさすがと思わざるを得ない講演だった。
参加している人は、高齢者の人が圧倒的に多く、20代30代と思われる人はちらほらといった感じ。でも、若い人は女性の方が多かった。
途中、プレステ3とWiiやGoogleとユーチューブの話も出てきたので、高齢者の人は?だっただろうな?、と思ったりもした。ちなみに大前さんもすでに還暦を過ぎて、孫もいる方ではあるのですが・・・。
まあ、まとめると世界分散投資するにはもっと世界に関心を持つことが必要。でも運用することだけではなく、どう使うのかが大事で、自分の人生を納得いくように送らないといけない。
以下は、講演会の私の備忘録。
(実際、言われた言葉ではなく、私のメモ書きの文章。超長いので悪しからず。)
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<世界の状況>
世界のインデックスで伸び率が高いのは、
ここ7,8年ではエジプト。昨年はペルー、その前がインド、その前がトルコ、その前は東欧。
海外も国内と同じくらいに見ていないと投資機会を失う。但し、リスクも高い。
巨大ファンドが主導権を握っていて、お金は、世界中 → ロンドン → ルクセンブルクに流れて投資される。
日本は資産運用を国技にすべき。日本には世界一の個人金融資産1,500兆円がある。
ファンドは1,500兆円と比べると全然大きくないが、先に動いて儲けている。
<夕張市と日本>
夕張市と日本全体は同じ状況。
夕張市 650億円の負債と1万2千人の人口。
一万倍すると丁度日本と同じ、650兆円の負債と1億2千万人の人口。違いは日本の場合は輪転機を回せるということ。
さらに日本には国債の債務だけではなく、年金債務が700兆円あるので、夕張市よりもひどい状況。つまり1,500兆円の負債を抱えていることになる。
<世界標準の運用と日本人>
世界標準の利回りは10%。日本の戦後も5.5%あって、これが年金の設定となっている。しかし、日本は0.1%の利回りのところでお金がじっとしたままになっている。
つまり全世界の投資機会に投資していかないとお金は増えない。
銀行も国債を買っている。金融庁が見ているので会社に貸せない状況。
アメリカ人はアメリカ国債を買っていない。買っているのは日本人と中国人など。一方、日本国債を買っているのは日本国内だけ。
日本人は正味資産(資産価値から借金を引いた額)の計算をしていない。実際は結構もっているし、貯金と保険など重複しているものもたくさんある。
日本人は「いざという時」と言うが、「いざと言う時とは?」と質問されても答えられない。70歳のいざという時とは?
葬式代なんて生きているうちに3社くらいに相見を取っておけば安く済む。
日本人は死ぬときが一番お金持ち。3,500万ももって死ぬ。年金も3割を貯蓄にまわしている。もっと、寄付をするとかNPOとするとか。
要は「自分で納得のいく人生を!」
イタリア人は死ぬ時に丁度ゼロになるように生きている。足りなければ年金で暮らす。アメリカ人でも資産のピークは48歳でそれ以降は減っていく。スウェーデンは国が全部面倒を見てくれる。なので、スウェーデンでは保険が売れない。
日本は心理が変わらない限り変わらない。
<世界経済の動き>
今はケインズ経済学と経済の反応が逆。つまり金利を上げると世界中からお金が集まる。高い金利をつけられる方が経済力が強い。
日本はゼロ金利でお金をジャブジャブにしても、日本国内ではマネーニーズがないので、景気が上向かない。
手元の金がないのは、ケータイ代とかに先に払ってしまうから。今の日本は不景気ではない。
世界で面白い国がたくさんある。海外旅行に行って、ツアーガイドについて名所巡りだけしていてはダメ。
まず現地の銀行に行って、商品の説明を聞く。利回り5%以上の商品なんてすぐに出てくる。
オーストラリアなら、オフシーズンの今なら6万円で行ける。
日本は新外為法ができて、海外で自由に運用することができるようになった。きちんと年末に報告していれば、違法ではない。
ユーロ、米ドル、円に3分割して持つのがよい。
できれば現地の通貨で決済ができるクレジットカードを作る。
例えばヨーロッパに行けばユーロで決済。
間違いなく破綻する日本だけでなく、米ドル、ユーロに分散しておくほうがよい。人によっては豪ドルなどを持っていてもよい。
見た目には日本円は減っていなくても、米ドル、ユーロが上がっているので、実質減っている。
<日本が借金を返す方法は3つしかない>
1.徳政令を出す。
すなわち、国民の貯金をパクる。ニートやフリーターに期待してもダメ。
2.税金を上げる。
計算すると消費税を20%で15年間。租税負担率を50%、つまり働いた半分の額でないと返せない。
3.外国から借金する
でも、国債の利回りを7?8%くらいにしないと買ってくれないので、金利負担が増して、最終的にはデフォルト(紙くず化)してしまう。
<日本人は怒らなくなった>
日本人は怒ることをやめてしまった。
それは偏差値教育の世代が増えれば増えるほど増える。子どもの頃からランクづけされているため、教えられたことしかやっていない。
日本は教育が最大の問題。ニートやフリーターがなくなっても、良くならない。突出した人を作らないといけない。
ノキアは15年前に一度倒産したが、携帯に特化して5年後には世界一になった。売上の99%は海外。世界で活躍できる人が必要となる。なので、教育改革をおこなった。
これからは答えのない世界なので、答えを導き出すような先生が必要。先生の言うことだけを聞いていても、先生のレベルにまでしかならない。世界で活躍できる人間を育てる。
学校では平均した人間しか育たないので、家庭でしっかり教育をやらないといけない。
<ユーチューブの影響力>
新聞、雑誌、テレビよりも影響力が大きい。ここで反応していてはダメ。(PS3の発売日に全部分解した動画がアップされた。アップしたのは日経の記者。日経にはスポンサーの関係上、記事にはできない。)
PS3対Wiiでは1:99でWiiの勝ちだった。
<予想と分析>
先物取引や原油価格が昨年上がったが落ちた。実需のないものはいずれ落ちる。手口(買っている人)を見ると分かる。ヘッジファンドが多く買っていたので、いずれ落ちることが分かる。
バブル時の株価や地価の下落も文芸春秋に掲載した。予想ではなく全て計算した結果。私は計算屋。予想ではなく分析できる。
<アクティブシニア>
米国はブッシュ大統領になってから株価は上がっていないが住宅が上がっているので、マージンをさらに抵当に入れて借金して運用している人もいる。
アメリカでは30年ほど前から起こっている現象がある。
日本では退職したら行政的には介護という考えしかないが、実際介護が必要となるのは1/4程度。あとはみんな元気。日本の高齢者の最大の問題は寂しさ。
アメリカにはこういうアクティブシニア向けのクラブがある。
ゴルフ、つり、テニス、ダンス、資産運用、マッキントッシュ、Windows等など。
これらの人が一緒に住んでいる。しかも、ゲーテッドコミュニティでセキュリティも高い。
私も来年千葉にアクティブシニア向けの6,000人が住める程のコミュニティを作る。
千葉ならディズニーランドも近いし、孫たちも来る。
アンケート結果からこのようなコミュニティは月12万くらいなら需要があることが分かったので、それくらいの値
段で実現する。高級なものは東京にもすでにある。
アメリカ人は北で働いて引退すると南に行く。
40代で南に別荘を買って、管理会社に任せて賃貸に出し、ローンを返していく。そして、現役世代からそこに行って、ローカル化しておく。引退して北で住んでいる住宅を売って現金を持って南へ行く。
よその国に関心を持つ。お金があっても介護する人がいない。移民を年39万人ずつ受け入れないと年80万人ずつ引退していくので、足りない。
「運用も大事だが、どう使うかが大事。」「どういう人生を送りたいのか」
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